沿岸堆積物表層の物質循環データベース


−富栄養化の進行に対して堆積物はどのように機能しているか−



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What’s new?
 2002.10 東京湾 三番瀬 船橋沖 湾央部 調査のベントスデータを公表しました
 2002.10 三河湾調査データを公表しました
 2001.12
 小網代湾調査データを公表しました
 2001.11 堆積物中のDO濃度解析結果を公表しました
 



 日本では、陸域からの有機汚濁負荷(COD)を削減するための4次にわたる総量規制等が実施されているにもかかわらず、東京湾等の半閉鎖性内湾での富栄養化問題は依然として深刻な状況にあります。このような状況を改善するために、CODだけではなく、富栄養化の要因物質である窒素及びリン(栄養塩)の沿岸海域への負荷の削減を目的とする第5次水質総量規制が平成12年度より実施されています。しかし窒素及びリンの発生源は、生活系排水、産業系排水、農地・家畜糞尿・水産養殖等の系外からの流入(流入負荷)および海底堆積物からの溶出(溶出負荷)と多岐にわたっており(図1)、各種の行政対策を総合的に進めていく重要性が指摘されています。
 水深の浅い沿岸域では、堆積物からの溶出は、窒素の海域への負荷源として量的に大きな比重を占めており、底質の改善(浚渫・覆砂等)による溶出負荷の削減が試みられてきました。一方最近では、堆積物表層での脱窒による自然浄化能力に着目し、干潟等沿岸生態系の保全・回復による富栄養化海域の積極的な浄化が試みられています。堆積物からの窒素の溶出と堆積物表層での脱窒は、堆積物表面に沈降・堆積した有機物の代謝・循環過程と密接に共役した過程です。したがって堆積物からの窒素の溶出負荷を削減するためには、堆積物表層における有機物の代謝・循環過程を把握する必要があります。ここでは、富栄養化の進行が著しい沿岸域の堆積物表層における、有機物(炭素・窒素・酸素)の代謝・循環過程を把握するための基礎となるデータベースの構築を行います。
 これらのデータは、沿岸堆積物表層における物質循環を記述できる数理モデルを開発するための基礎となるものです。そして、堆積物表層における物質循環数理モデルの開発により、富栄養化過程における堆積物の機能を定量的に組み込んだ新しい富栄養化水質汚染予測モデルの構築が可能になります。東京湾のような自然生態系の構造はきわめて複雑であり、その水質環境を改善するための行政対策の有効性を確認することは容易ではありません。新しい富栄養化水質汚染予測モデルを活用することにより、富栄養化問題を改善するためのより的確な行政対策を進めていくことが可能になります。



問い合わせ先
  産業技術総合研究所 m.sayama@aist.go.jp